プロローグ

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「終わった……」 不意にぽつりと呟いた。誰に向けたわけでもない。敢えて挙げるなら、やり切った自分に向けて賞賛の意を込めてだろう。 ぴりぴりと残る余韻もほどほどに、目を閉じるとエンドロールが流れ始める。 長かった。苦悩もした。それでもやりおおせたのだ。 ゆらゆらと流れるエンドロールの文字列。 その中に「蓮見えみり」の文字。 正直に話せば、彼女は僕の理想の女性像そのものだった。 こんな女性を射止めたい。そんな心理が作品内のキャラクターに投影されたことを否定しない。 だからこそ、僕以外の男とハッピーエンドを迎えることを良しとしなかったのかもしれない。
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