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その2
境内を出て、鳥居を潜り、短い参道に敷き詰められた石段を下る。
その石段の中程で何の気なしに振り返って、俺達のご先祖様達が代々守ってきたっちゅー神社を眺めた。
さっきは“小さい神社”なんて思ったけど、こうやって改めて見ると中々どーして、結構雰囲気出てるやん。
“ちょっと変わった”小さい山の中腹に建立された、ちょっと場違いやなって感じの、少し立派な神社ってとこか。
「もう、お兄ちゃん。どーしたん?」
石段を先に下りきった神流が、不思議そうに声を掛けてきた。
その仕草もまた可愛い!
―――因みに俺はシスコンやない。ほんまや。
―――ただちょっと、他の奴より妹贔屓なだけや。ほんまや。
「おー、なんでもないわ」
そう返事して、俺は神流と合流すべく石段を下りた。
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