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こいつの名前は八代真夏。
利伽の弟で、神流の同級生や。
まークラスは違うみたいやけど。
利伽のとこは“うちと違って”兄弟でえらい性格が違う。
快活で明るい性格の利伽に比べて、真夏は引っ込み思案で臆病や。
「おはよう、真夏! ……あんた、今日も冴えてへんなー……」
そんな真夏に、神流はいつも強気な態度や。
多分、弟感覚なんやろな。
二人で行動する時はいつも神流がイニシアティブを取ってるし、真夏の性格がどこか放っとかれへんのやろな。
「お兄さんも、おはようございます……」
ノロノロと合流した俺に、真夏が挨拶をくれた。
こんだけ長い付き合いやのに、こいつは俺にいっつも敬語や。
生意気に図々しくタメ口きかれるんも腹立つけど、ここまで卑屈になられるとなんか俺が悪者みたいに感じてまう。
「おう、おはよう」
だけど俺も、愛想の良い方やない。
だからつい、ぶっきらぼうな返事を返してまう。
そしたら、更に真夏は恐縮する。
―――ほんま、悪循環やで……。
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