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~5ケ月前・修学旅行~
「やっべっっ‥!?」
慌てた男子高生の声が聞こえたのと同時に、コーヒーの入れられた紙コップが地面に「べシャッ!?」と落ちる音が聞こえた。
「ああ、くそ‥。やっちまった‥。」
「ああ~派手にこぼしたね。お前の制服の袖すっかりコーヒーで染まってんじゃん。」
「はあ‥。修学旅行初日だっていうのに‥。このまま1日過ごすのかよ‥。ああ、最悪だ‥。」
コーヒーで濡れた袖をハンカチで拭きながら、雅臣は自分の前にいる友達に言うともなく愚痴を吐き大きくため息をする。
そんな雅臣の愚痴を横で聞きながら、友也は地面に落ちた紙コップを拾ってテーブルの上のトレーに戻す。
「ああ!駄目だよそれじゃ!?よけい染みになっちゃうよ!?」
「「え‥?」」
そんな二人の横から、ふいに、女の子が慌てたような声をかけながら雅臣の横に駆け寄って来た。
そのまま、コーヒー色に染まって濡れた袖口を掴むとその袖の内側に左手を差し込み、その上から女の子は水で湿らせた自分のハンカチで袖の外側から「トントン」叩き始めた。
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