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「お前らが俺に幹事しろって言ったんだろ。たくっ…。だから嫌だって言ったんだよ。」
「ご…ごめん!?待っていま止めるから!?アハ。」
翔太のふてくされたような言葉に夏海は笑いを止めるように、手に持ったドリンクを飲んだ。
「ふう…。もう大丈夫。」
やっと止まった笑いを確認させるように、夏海は翔太の方を見ながら声をかけた。
それでも、まだちょっと疑わしげに見る翔太の視線に、夏海は両手を胸の前で合わせもう一度言葉をかけた。
「幼稚園からの幼馴染の好で許して。ね、“ショウちゃん”。」
そう言って、ちょっとかわいげに夏海はウィンクをする。
「…だから“ショウちゃん”はやめろって!?高校生にもなって恥ずかしい。」
「まあまあ。ほら…夏海も謝ってるし。許してやれ。“ショウちゃん”。」
「ぶっ…!?智見っ!お前もやめろっ!?気持ち悪い!?」
夏海に便乗した智見の言動に翔太はおもいきり吹き出してしまい、慌てて手を伸ばしツッコミを入れるように言葉を返した。
そんな翔太のキレのいいツッコミに、翔太達のグループ内に再び笑いが広がった。
翔太と夏海と智見の漫才みたいなやり取りに落ちがついたところで。
改めて夏海は持っていた紙袋の中から綺麗に包装されたプレゼントを取り出した。
そして、そのプレゼントを両手でもちあげると、夏海は智見と未空に交互に目配せをし再び口を開いた。
「…じゃあ、改めまして。私たち三人から翔太へ…」
そんな夏海の目配せしながらの言葉に未空と智見も軽く頷くと、三人は一斉に翔太へ言葉をかけた。
『翔太。17歳の誕生日おめでとうー!?』
三人での翔太への誕生日のお祝いの言葉を言い終えると、三人の代表で夏海は両手で持っていたプレゼントを翔太へ渡した。
「まじでっ!?サンキュー !?」
翔太も驚きながらも夏海からプレゼントを受け取ると、嬉しそうに笑いながら三人へお礼の言葉を返した。
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