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また一人きりだ――。
理由を聞くことも後を追うこともできず
日曜の午後。
「ヨギヨ!サムゲタン ジュセヨ」
新大久保の路地裏
日本人も来ないような店で参鶏湯定食を注文する。
「マシッチ?」
「ネー」
店主のお母さんに美味しいかと聞かれたので
今まで食べた中で一番だとうろ覚えの韓国語で僕は答えた。
身体も心も
本当は食べ物なんか欲してはいない。
だけどしっかり精力をつけておかなかれば――。
「はぁ……」
また明日から始まる悪夢のような日常に
カン・テヨンが生徒として現れる現実に
僕はとても太刀打ちできそうになかった。
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