第6章

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「だから……行くよ」 「は?」 「だから……」 金蔓と思われようが 都合がいいと思われようが 好きになってしまった方が弱い。 「今からおまえのとこ……行くよ」 旧友に睨みつけられながらも なけなしのプライドさえ捨てて 言ったのに――。 「いや、もういいや」 喜ばれるかと思いきや 「は?」 「無理して来てもらわなくても、代わりの指名客は他にもいるから」 僕は軽く撥ねつけられて――。 思わず 「ならなんで電話してきたんだよ……」 「え?」 「ならなんでわざわざ僕に電話してきたのかって言ったんだ!」
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