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「僕、行かなくちゃ」
「え?」
「テヨンのとこ、行くわ」
この際、金で済む話なら
有り金全部叩いても構わない。
弄ばれていようが
金蔓だと思われていようが
僕はただテヨンに会いたかった。
会って昨夜みたいな時間が過ごしたかった。
中毒だ――。
「おい、タクヤ!」
僕はふらつく足取りで立ち上がると
コートと伝票を手にして友人に敬礼した。
「行ってまいります」
そうして転がるように路上に出ると
「ちょっと!」
「すみません、急ぐんで」
思い切り割り込んでタクシーを捕まえた。
「新大久保のクムって店まで行って。大急ぎで――」
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