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ムカムカする気持ちのせいでビールが進む。
「おい、弱いくせに馬鹿みたいに飲むなよ」
「るっさぁい!明日は久しぶりの休みなんだから、心置き無く酔わせてよ!ぶっ!」
ブゥっと頬を膨らませると、すかさず突かれて変な音が出た。
「ただでさえ不細工なんだから膨らむな。醜い」
「ひっど!」
そりゃああなたはその端正なお顔でいらっしゃいますからね?
文句のつけ所のないイケメン様であらしゃりますもんなぁ?
ん?なんか麻呂っぽくなってるけどまぁいいか。
それなりにメイクして取り繕っても、やっぱり不細工なんだと思うとちょっと泣ける。
「本気にするな。俺が悪いみたいになるだろ」
「あんたが悪いのよ!」
どこまでも自分勝手な男にいよいよ腹が立つ。
「全くどんな風に育てばこんなにひねくれ者になれんのよ」
「普通の家庭で普通の親に育てられたけど?」
「確かに...おば様やおじ様は普通にいい人だもんね」
中学から大学まで一緒だったのだ。
幾度となくその人の良い両親の姿は目にしていたし、可愛がってももらった。
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