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「じゃあ余計にわからない」
「なにが?」
「なんでこんなひねくれたのか」
「普通だろ」
橘が普通だなんてあってたまるものか。
こんな男が世に溢れていたら、一体何人の女が枕を涙で濡らさなければならないか、考えただけでゾッとする。
「まぁ私に害がないから、なんとも言えませんけども」
「お前には有益しかもたらしてないだろ」
「...はいはい」
当然と言わんばかりの顔で言い放たれても困るが、実際のところ確かに橘の言う通りなんだよね...。
「お前、仕事量大丈夫か?もう少し減らさないときついか?」
「んー、まだ慣れないせいで時間はかかっちゃってるけど…量的には大したことないんじゃないかと思い出したとこ」
「そうか。お前の今の仕事、前任者が二人分だからな」
日々の仕事を思い出し、素直に答えるとサラッと耳を疑うことを聞かされる。
「ちょっと...今なんて言った?」
「そうか」
「その後!」
「ん?前任者が二人分?」
「それだぁ!!」
バンっと机を叩いて立ち上がり、橘をビシッと指差す。
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