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「もう...そろそろ帰る」
「もうこんな時間か...早いな」
時計に目をやると0時が迫っている。
いくら明日休みだとはいえ、あまり長く飲むのもよろしくない。
もう若くはないのだから、休みはしっかり休みたい。
「じゃあ本題に入るけど」
「はぁ?今から?」
「すぐ済む」
帰ると言ってから本題ってどういうことなのよ。
仕事のことかと思い、仕方なく橘の正面にきちんと座り直す。
「お前、俺と付き合え」
「.....帰るわ」
「返事は?」
「バカバカしくて話にならない」
真面目に聞こうとした私が馬鹿だったのだ。
それにしても橘も意外に酔ってたのね。
「ちゃんと真面目に聞けよ」
「聞いたわよ。結果、帰るって言ってんの」
「じゃなくて。ちゃんと考えてくれ」
呆れ果てた私の様子にも怯むことなく、橘はしつこく言い募った。
冗談にしては珍しくしつこいなと思った時、予想もしていなかった言葉に私は固まった。
「もう片想いは飽きた」
「.......はぁ?!?!」
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