嘘か誠か

13/18
前へ
/183ページ
次へ
「どんな子と付き合っても、深く付き合ったりできなかった。寂しさを埋めるための付き合いで、相手だってきっとそんなオレに愛想を尽かしたんだと思う」 懺悔するようにポツリポツリと言葉を漏らす縁は、じっと私を見つめたまま。 目を逸らすことを許されない私は、その瞳に吸い込まれそうになる。 「別れ話をされても引き留めたりすることなんてなかったし、ヨリを戻したいなんて考えたことも無かった。また代わりに誰かで寂しさを埋めればいいだけだったから...最低だろ」 「うん」 寂しがり病の縁を嫌ってほど知ってた。 だけどここまでだったなんて、本当はわかってなかった。 「ははっ...けど湊だけは違う。他に代わりなんていない。あの夜これからずっと大事にするって、そう思ってた」 「本気で言ってるの?」 「こんな事嘘ついたりしない。目覚めた時、湊が居なくてオレはやっと自分の間違いに気がついたんだ」 乾いていた涙がボロボロと溢れ出る。 これ以上惨めな姿を晒したくなんてないと言うのに。
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加