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「どんな子と付き合っても、深く付き合ったりできなかった。寂しさを埋めるための付き合いで、相手だってきっとそんなオレに愛想を尽かしたんだと思う」
懺悔するようにポツリポツリと言葉を漏らす縁は、じっと私を見つめたまま。
目を逸らすことを許されない私は、その瞳に吸い込まれそうになる。
「別れ話をされても引き留めたりすることなんてなかったし、ヨリを戻したいなんて考えたことも無かった。また代わりに誰かで寂しさを埋めればいいだけだったから...最低だろ」
「うん」
寂しがり病の縁を嫌ってほど知ってた。
だけどここまでだったなんて、本当はわかってなかった。
「ははっ...けど湊だけは違う。他に代わりなんていない。あの夜これからずっと大事にするって、そう思ってた」
「本気で言ってるの?」
「こんな事嘘ついたりしない。目覚めた時、湊が居なくてオレはやっと自分の間違いに気がついたんだ」
乾いていた涙がボロボロと溢れ出る。
これ以上惨めな姿を晒したくなんてないと言うのに。
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