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「話がしたくてすぐに電話した。でも湊はなかったことにしたいみたいに思えた。お前の気持ちが分からなくて、少し時間を置いてみようと思った」
確かにあの時電話をもらった私は、忘れて欲しいと願っていた。
今の今までそう願い続けていたんだ。
「そしたらすぐ転勤だとかで遠くに行ってしまった。湊もオレに愛想を尽かしたんだと思ったら、自分の気持ちなんて言えなくなった」
「ごめん...」
どこまでも自分の事しか考えてなかった自分にほとほと呆れてしまう。
「だったらせめて今までみたいに、友達としてまた会いと思った。今まで通りでいれば、いつかまた一緒に笑ってくれるんじゃないかって...」
「彼女も紹介されたし…縁はもうすっかり忘れてくれてると思ってた」
結果はアレだったけど彼女を紹介されるなんてなかったから、もういい加減諦めろって言われてるような気になっていた。
忘れなきゃいけないって、何度も自分に言い聞かせてた。
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