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 うすぼんやりとした意識の中、背中に鈍い痛みを感じて目が覚める。  いつもの部屋のいつものベッドの上。【5:06】というデジタル時計の時刻を見ながら、まだ寝られるという時間でもないなと身を起こすが再び背中に鈍い痛み。  寝巻のトレーナーが突っ張って首が絞めつけられているのに気づき、胸のあたりを掴んで引っ張ろうとするも再び背中に鈍痛。いや、背中ではない?  その違和感にもしやと思い、トレーナーを脱ぎ捨てるとベッドから降りた勢いのまま洗面所に行く。  やはり。  洗面台の鏡に映る自分の背中には翼が生えていたのである。  翼は天使の羽を連想させるような純白で、広げたところで片翼50センチ程度の飛び立つには到底足りない長さしかない。飛び立つには人間の個体差にもよるが、片翼だけでも身長の2倍は必要ではなかったか。更に言うならその大きさからこの種類の翼ではあらゆる抵抗に勝てないので悪魔的なというかプテラノドンや蝙蝠みたいな翼でなければいけない気もする。と、「生物」の知識など微塵もないが何となく推察していく。     
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