1人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
この愛は終わらないっ!
僕には好きな人がいる。その人とは会ったことがないのだけれど、人づてに聞いた話ではかなり優秀で、将来を有望視されている人らしい。
僕とは正反対の人だからなのかも知れないけれど、僕がはじめてその人の存在を意識し始めたのは、他ならない僕のライフワークがきっかけだった。
僕は物作りが好きで、いろんな物を作るのに、それなりには自信があったのだけれど、僕の作った渾身の力作にその人がケチをつけてきたのが、僕とその人の関係の始まりだった。
僕は仕事で同じような物を作っていたし、それなりに成果もあげていたから少しだけ傲慢になっていたんだと思う。
初めてその人にケチをつけられたときに僕が抱いた感情は驚愕の一言につきた。それからすぐに悔しさを感じて次はもっと巧く作ってやろうと思うようになった。
だけどその人は凄かった。僕が次々に作る作品にダメ出しをしてくるんだ。しかも公衆の面前で。僕は何とかしてその人をギャフンと言わせてやろうとますます工作にのめり込んだけれど、ことごとくダメ出しされてしまった。やっぱり僕一人ではどうすることもできなかったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!