恋煩いは医者じゃなきゃ治せない

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「家で杏沙さんが帰ってくるの、待っててやれ」 「うん」 にやりと笑ったカイさんに私も笑い返すと、あたまをがしがし撫でられた。 家に帰ってまもなく、お母さんが会社の人に送られて帰ってきた。 「迷惑かけてごめんなさいねー」 「いえ、これくらい」 送ってきた男の人は親しげで、それになんだかお母さんも嬉しそうでむっとした。 「じゃあ、僕はこれで。 お大事に」 「ほんとにありがとう。 助かったわ」 帰って行く男の人に、にこにこ笑って手を振るお母さんにイライラする。 「……誰、あれ」
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