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中学の卒業式。
近くの公園にずっと好きだった松宮くんを呼び出して告白した。
「ごめん。
俺、付き合ってる奴がいるから」
「ううん。
私こそ、ごめん。
知ってたけど、どうしても聞いてもらいたくて」
無理矢理、笑顔を作ったけど、涙がぽろっと落ちた。
告白してもダメなことはわかってた。
でも、ちゃんと気持ちにけじめをつけたくて。
「ほんと、ごめんね。
聞いてくれてありが……」
「莉奈を泣かせるな!」
「ぐふっ!」
突然、目の前の松宮くんが吹っ飛んだ。
なにが起きたのかわからなくて視線を移動させると、……なぜか怒っているカイさんがそこにいた。
往診の帰りだったのか白衣姿で、近くには自転車が止められている。
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