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その日の学校帰り、携帯見たらお母さんからメッセージが入ってた。
“階段踏み外しちゃった。
今日はもう、帰るから”
一気に血の気が引いていく。
慌てて電話してみるけど、まだ病院なのかお母さんは出ない。
不安で不安で、カイさんのところに駆け込んだ。
「カイさん!
お母さんが、階段から落ちたって!」
「杏沙さんが?」
患者さんがいなくて暇だったのか、ひとりで将棋をしていたカイさんは勢いよく立ち上がると、そのままつかつかと私のところまで来る。
「どうしよう、大きな怪我だったら。
私、私……」
「落ち着け、莉奈。
落ち着け」
そっとカイさんに抱きしめられると、安心したのか涙が出てきた。
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