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 そんな心は、これまでの悪魔――  ヒトの手によって造られた、欠陥だらけの人外生物には有り得なかったからなのだろうか。 「……――っ」  突然、胸の奥に、背中に突き抜けるほどの大きな痛みが走った。  一瞬とはいえ、冷や汗が出るほどの鋭さで、黙り込んだ悪魔を隣で相方が不思議そうに見てくる。  悪魔の体は、誰かの都合で製造されたせいか、色々とおかしな性質を持っていた。  人間界では半陰陽などと言うらしいが、素材は男性でありながら、外見の造りは女性だ。また、目覚めた時から四つもの意識があったのも、作り物の体を動かすために与えられた、特別な「力」の影響らしい。  そうでなければ、人造の人外生物などというものは、ツギハギな肉塊の域を超えない。たとえ動いたとしても、ただの人でしかなく、人外生物が人外たるのは、「力」がその内に在り、それに適合する意識が肉体に在ればこそなのだ。 「……そっか。オマエの言う通り、疲れてるみたいだ、オレ」  結構やばい。と、悪魔の状態を評した相方の見立ては正しかった。  たとえ住む場所が隔たっていても、悪魔の血を受けた相方には、悪魔の「力」は常に分けて流されている。  今日は人間界に来たばかりの相方が消耗したせいだろう。「力」がいつもより多く、相方に流れ込んでいる。  故郷であれば、さほど気にする必要もない量だが、人間界で五分の一となった悪魔の「力」ではなかなかきついものがあった。
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