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 のー! と子供のような声で、休みなのに学生服の汐音が不服げにする。 「最初に言ったろ? ここではオレ達の『力』は、五分の一に制限されるんだって」 「あ……あれ、か……」  すぐに納得がいく。人間ではない彼らは、元々異界の存在だ。この人間界に出ると能力に制限がかかることは、来た当初に教えられていた。 「って、ことは……」  汐音が大きく回復できるのは、契約相手のツバメだけだ。それも現状では、これが限界らしい。  そうなると、しばらくこの状態で動かなければいけない。それを思い、ツバメの眼前が一瞬で暗くなった。 「このカラダで……働け、と……」  とにかく動ける程度には、神経も骨も繋がっている。  五感に依る直観を維持するために、ツバメの身体構築は、感覚の再現を重視してもらっている。そのために、痛みもしっかりと感じる。  つまり、何とか動けはするが、全身がとても痛い。  せっかく商店街での求職に慣れてきた矢先に、この有り様だった。 「ま、油断の代償だと思って、今後は気を付けるんだねー。ホントにオマエ、放っといたらすぐに死んじゃうなぁ」  体の損傷自体は、確かにツバメ自身の責任だ。反論できる言葉もなく、ツバメは世間話だけを返す。 「……昨日の奴は、その後、どうした?」 「え? そんなの当然、オレが美味しく頂きました」  あくまで予想通りの返答。彼らの本業を思わされ、小さな溜め息がそこで零れた。
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