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 人を糧としてまで、生きる意味が自身にあるのか。  けれど、汐音の手を取った時に、ツバメは覚悟を決めたつもりだ。  汐音が望むことを、汐音の力を使って手伝う。この人間界で、悪魔狩りも手伝えというなら、そうするだけだった。 「悪魔狩り、か……それならこの先、猫羽はどうなると思う?」  ツバメがこの人間界にいる理由。人間である妹は、人間として、人間の学校に通うことになった。  しかし妹も本来、ツバメと同じ異界に住んでいた。身を守るために様々な悪魔と契約を交わした妹は、人間としては危うく、いつ悪魔に堕ちてもおかしくない状態なのだ。 「本当に汐音を、信頼してるのか? 猫羽をただ、見守るなんて約束……猫羽はアイツには、極上の獲物だろ?」  危なっかしい妹の、人間界での新生活が心配だった。  それで、人間界慣れしている汐音に、妹と同じ高校に行ってもらうことにしたのだ。  学生でいる時の汐音は凛として、名前も違い、今より背が低い。鋭い切れ長の目は灰色で、髪の色も青みのある黒になる。  それはツバメも見知った姿で、逆に、部屋にいる時の汐音……ツバメと同じ年頃の背格好で、青銀の髪と蒼い目は、今までほとんど見なかったものだ。  そうして、昔よりよく喋り、更にはだらしなくなっている。  その違和感の中身が、全くわからないこと。それは確かに、ツバメに影を落とし始めていた。
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