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た?…え、どうしたの」
彼は私を見るなり、心配そうに彼は駆け寄ってきた。
「忘れられたかと思ったじゃんかぁ!」
安堵で、涙が溢れる。今の夜空の流星のように、次々と。
「ごめんね」
彼は、なぜか誇らしげに
「用事があったから」
と言った。
そして、彼はポケットから小さな箱を取り出した。
「この星を、君に」
『本日午後9時から、西から東にかけて流星群が見られるでしょう。』
ソファに座って暇つぶしにニュースを見ていると、アナウンサーがテレビの中からそう告げた。
「ねえねえ、流星群だって!見に行こうよ」
そう私が声を放つと、あなたは優しく微笑んだ。
「そうだね。行こっか」
「今度は遅れないでね!」
するとあなたは私の手を握って、
「もちろん」
と笑った。その握られた私の右手の薬指には、一つの星が、静かに輝いていた。
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