真実

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 高田くんが、手帳を片手に私たちの会話に参加してきた。お皿のケーキは、すでにきれいに無くなっている。 「これは絶対、というのは何点かピックアップしてます。良かったら、これからご覧になりますか?」 「え、よろしいんですか?」 「もちろんです。ではご案内しましょうか」  私たちは奥様にケーキのお礼を言って、馨さんのあとに続いた。  馨さんが案内してくれたのは、直射日光の入らない、屋敷の北側にある一室だった。  たまに部屋に風を通すのだろう。数か所に掃き出し窓が設置してある。 「先日母と相談して、数点選び出したんです。ピックアップした絵はそちらの棚に保管してあります」  ちょうどキャンバスのサイズに区切られた棚の中に、馨さんと奥様によって選び出された絵が数点、縦にして収納されていた。 「あら、これは?」
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