終わって始まった

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 僕の名前は奏多(かなた)。  性別:男。年齢:15。  ここまでなら普通。ちょっと名前がキラキラっぽいけど、まぁ普通。  ただ問題はフルネーム。  僕の名字は宇津野(うつの)。  続けて読むと宇津野 奏多 (うつの かなた)  うん。そりゃね。『イスカンダル』って渾名つけられるよね。  しかも女の子だったら真理(まり)にするつもりだったんだってさ。  絶対、『しんり』って渾名になるじゃんね。  うちの両親はバカだと思うんだ。マジで。  せめて母親の姓だったら……あ。ダメだ。  母親の旧姓は『長井』。ながいかなた。  うん。『長い刀』→佐々木小次郎もしくは『願い叶った』→七夕や流星群の度に言われる。  ダメじゃん。どっちにしろダメじゃん。  僕が両親の息子で奏多な時点で詰んでんじゃん。  両親から生まれた時点で僕の人生詰みじゃん。  そんなバカでネーミングセンス皆無な両親のおかげで僕は人生始めて早々にドロップアウトした。  いや、だって、ねえ?  訳わからん渾名つけられてよ? 調べたら昔のアニメのOPテーマ曲の歌詞だっつーんだもんよ。  そりゃ子供心が深く深く傷付くでしょ。  傷が深過ぎて折れるでしょ子供心。  知らねーよ何だよヤ○トって。艦○れとかじゃねーのかよ。いや艦こ○でも嫌だけどさ。  トイレで用足してる後ろから『波○砲発射ー!』とかさ。もうイジメでしょコレ。  つーか何で同い年のお前らがそんなアニメ知ってんだっつー話だよね。  絶対、親から聞いたよね。家族ぐるみでヒトの事をバカにしてたって事だよねソレ。  やってらんないよねーホント。  そんな訳で僕は小学4年から不登校児として引きこもり。  僕の両親はバカなだけあって物事を深く考えない人達だった。  僕が学校に行かなくなっても『そっか、わかった』って。『行きたくないなら無理に行かなくていいと思う』って。  まぁそこだけは感謝している。  こうして僕は引きこもりになった。  テレビで言う様な『自室に閉じこもってPC三昧』な引きこもりではないけどね。自分の部屋はあるけどさ。当時まだ10歳だからね。個人のPCなんて無い。  『家にいるなら』って理由で両親は僕に家事を担当させた。ちゃんとバイト代ももらえた。  10歳の出来る家事なんてたかが知れてるけど、それでも出来る範囲でやればそれに準じたバイト代がもらえた。
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