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「・・・そうか、ところで体の調子はどうだ。妖怪だろう、傷もう治ったんじゃないか」
了に言われ、ムクは傷に手をあてる。鋭い痛みが走った。
「あれなんで!?私妖怪なのに!?」
ムクは困惑した。妖怪は人と違い回復力の差が違う。人にとって重症でも妖怪であれば2日もあれば全快する。ムクの傷はそれ以前に血がにじみ出ていた。それを知った了は少し考え口を開いた。
「犯人の目星がついたかも知れない」
「なんだって!」
ムクは誰なんだと捲し立てる。了はムクに犯人は「封魔」の者だと告げた。ムクはそれを聞き、恐怖で青ざめた。
「・・・そんな、私は何もしていない。第一に封魔は解散したはずだろう」
「しかしムクの治らない傷、妖怪に対してそんな風にできるのは霊力を操る封魔の者だ。犯人が人だと考慮してな」
封魔 人里ができる以前に起きた、妖怪と人間の争いにおいて人間を守るために設立された組織。封魔の者は霊力と呼ばれる力を持ちいて戦う。霊力は人外や妖怪にとって弱点であり、霊力を帯びた武器で攻撃されると人以上に傷つく。霊力を帯びた刀や霊力を使用し超常現象起こす札が封魔の主力武器である。
霊力とは人間に備わる潜在的な力で過酷な訓練を行えば操れる。封魔の構成員は妖怪の被害者が多い。
しかし大災害によって人間と妖怪の争いが終結。人間と妖怪が和解、共に歩むこととなり封魔は解散となった。
「しかしなぜ封魔はお前を襲ったんだ封魔は良い妖怪を退治しないと聞いているが・・・」
了が考え込んでいるとムクが突然言葉を発した。
「・・・私決めた。襲った人と会い話をする。なんでそんなことをしたのかを聞く」
「何言ってんだ!?。命が狙われたんだぞ!」
了はその言葉を聞き困惑した。ムクのマフラーに刺し傷があった、首が無ければ死んでいただろう。
「それでも、何もしてない私が襲われたんだ。人里と関わりを持つ妖怪が今後狙われるかも知れない。私の友人も人里で働いている。だから襲った人とあって話がしたい」
「死ぬかも知れないぞ・・・」
「それでも」
ムクは覚悟を決めていた。了はその言葉を聞き考え、口を開く。
「そうかなら、私にも手伝わせてくれ」
その言葉にムクは戸惑った。
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