第二話 剣と被害者

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「話を聞いていたが、まったくムクはあんたのこと友人だと思っていたんだぜ。その上妖怪はいるだけで罪だとかいってさ。あんた刀を向ける相手が違うぜ」  葉月はそれを聞き殺気がこもった声で言い返した。 「なんだお前、そこの化け物を庇うつもりか」 「その通り、それに彼女は化け物じゃないムクだ」 「じゃあ、お前から・・・斬ってやる。化け物を庇う奴なんてロクなやつじゃないからな」  葉月は了に刀を向けた。了もカードを取り出し戦闘態勢に入る。葉月は了に対して上段斬りを仕掛けた。それと同時にカードを発動させる了。 <アイアン>  了は体を鉄の様にし刀を片腕で受け止め様とする刀は鉄を斬れない了はそう考えてた。しかし、了の腕は切断とはいかなかったものの深く斬られてしまった。 「何ッ!?」 「なにを驚いているッ!!」  葉月は追撃を仕掛ける。了はそれを紙一重で避け距離を少し距離をとる。了の心中は穏やかでなかった。  まさか、鉄を斬ることができるのか!?  了は葉月がただ者でない事に気づき、手加減が出来ないことも分かった。人を殺す覚悟を決めた。  葉月は了がエルカードを持っていることに驚いていた。 「エルカード珍しいものを持っているな、だがまあ大したことはない。そのまま死ねッ」  再び攻撃を仕掛ける。しかも先ほどよりも速く刀を振るった。了はなんとか反撃を試みるが避けるのに手いっぱいだった。一度ムクを連れ逃げるかそう考えた矢先、葉月は次の手を打とうとした。 「逃がすものかッ」  葉月は了が逃げる事を覚り、懐から札を取り出し空に投げた。札は勢いよく弾け、辺りを囲う様に辺りに張り付いた。札は霊力を帯び、結界が構築された。
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