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「大丈夫!?」
「なんとか、ムクまだ戦いは終わってない。離れているんだ」
「え・・・」
ムクは吹き飛ばされた葉月を見る。ムクは恐怖した。
口から大量の血を流し片腕は曲がり折れているのにも関わらず葉月は立っていた。了の攻撃は翼に攻撃を受けたことで僅かに弱まっていたのだ。しかしそれでもただの人ならば立つことは出来ない傷のはずであった。ムクは了の言う通り近くの木々に身を隠した。
葉月は殺気を放ち刀を構えた。おそらくこれが最後の攻撃だろう。折れた腕で札を刀に滑らせた。すると刀に電流が走った。
「!!」
了は危機を感じたが痛みによって体がなかなか動かない。ムクは了を助けようとするが葉月が放った殺気に身動きが取れなかった。刀の電流は強さが増していた。音は激しく光がまぶしいと感じる程に、もはや電流は雷になっていた。
葉月は了に向かって地面を斬りながら駆けた。さらに雷の威力は増していく、雷鳴が轟とどろき、辺りから音を奪ッていく。了はそれを見て力を解除した。
「・・・」
「覚悟は決めたなァ!!!」
了に刀が向かいつつあるその時には雷の光と音が辺りを支配しつつあった。ムクは眩しさから了の様子が良く窺えない。雷を纏った刀が了の命を狙える距離に迫ってきた。しかし了は逃げようとしない。
「死ねえええええええええええ」
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刀は振り落とされた瞬間 雷の光と音が全てを支配した。そしてゆっくりと雷の光と音は収まっていく。ムクの目は眩しさから解放され徐々に辺りが見えるようになった。
「あ・・・あ・・・」
ムクは絶望した。葉月の目の前には、真っ二つにされた焼死体があった。葉月は勝ち誇り次の獲物であるムクに刀を向けた。ムクは死の恐怖に縛られた。
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