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小さな丘に小さな家があった。中には美しい少女が布団もかけず眠っていた。
「・・・・眩しい」
私は窓の日差しによって目を覚まさせられた。まだ眠り足りなかったが、今この家には布団、寝具といったものが無く、快適な眠りは約束されていなかった。
「眠い・・・」
そんな言葉を吐きながら私は立ち上がり家から出て、日課のポスト確認を行う。中には手紙が一通入っていた。
「おっとあるのか、仕事」
内心はめんどくささ半分と仕事がある喜びがあった。私の家のポストには週刊誌と仕事の手紙しかこない。手紙を手に取り中を確認してみると、人里にある管理所からの依頼であった。
「最近この世界に吸血鬼がやって来て以来月が青く染まる怪奇現象が起こっている。そのせいで人々の吸血鬼に対する恐怖が高まっている。吸血鬼に対する調査又は青い月の解決を願いたい。・・・もう少し情報を集めてからにして欲しいぜ」
手紙には吸血鬼がいる場所までの地図が入っていた。私は情報量の少なさに呆れたが、人が困っているのは見逃せない。それに我が家は現在貧乏である。仕事は受けざる負えない。
「やるしかないか」
私は夜が来るのを待ち、覚悟を決めた。
この世界は夢幻のまちと呼ばれ、人間の他に妖怪といった化け物や超能力者といった、ありえないモノが存在している。以前に人間と妖怪で争いがあったが、未曽有の災害「大災害」と呼ばれる事が起き、人間と妖怪は大きく傷ついた。しかしそれにより人間と妖怪、生活の安定のため垣根を超えた助け合いがおき和解に至った。現在は良い関係を保っており平和である。
しかし異界からの来訪者や平和になじめない者や力を行使したい者が騒ぎを起こす。そういった騒ぎを治めることを生業としている人達がいる。私もその一人だ。
夜になり私はいつもの白いジャケット着てブーツを履く。そしてカードホルダーを装備し、家を出て吸血鬼がいる場所に向かった。
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