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夜
二人は人里にある診療所にやってきた。診療所には立て看板に治療承っていますと書かれていた。了は扉を叩き声を上げる。
「夜分遅くにすみません急患なんです。ミヅクさんは要らっしゃいませんか。」
呼ぶとタッタッタッと診療所の中から足音が聞こえてきた。
「はい?どなたですか?」
扉から現れたのは少し筋肉質で赤髪の白衣を纏った女性、ミヅクが現れた。
「この人たちを見てほしいんです」
ムクは了と背負っている葉月を診せる。ミヅクは葉月の顔を見て、驚きの声を上げた。
「葉月ちゃんじゃあないかしかもこの怪我」
「お知り合いですか!実はこんな事があって・・・」
ムクは今回の事件を簡単に述べた。話を聞き、ミズクは俯うつむく
「なるほどなそんなことが・・・」
「お知り合いなんですね」
ムクの言葉に頷き返すミヅク。それを知り問いかける。
「なら聞きたいことがあります。 なぜ葉月はここまで妖怪を恨んでいるんですか!」
ムクはやや声を荒げた。ミヅクは少しの沈黙の後、葉月と了の治療が完了したら話すと言い、看護師を呼び葉月と了を手術室に連れて行かせた。
「では少し待っててくれ」
ミ ヅクはムクに言い手術室に入っていった。
ムクは待合室で待つことになった。棚には塗り薬が置いてあり、了から貰った塗り薬はここの物だと分かった。
「・・・」
ムクは今日あったことを心の中で整理するため、待つ間あいだ黙ったままだった。
やがて夜が明け、朝を迎えた。
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