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クソ傷が痛む。頭の中でそんな風に考えていると視界が開いた。
「生きているだと?」
ブルーは自身の命があることに困惑し、辺りを見渡す。 ブルーがいた場所は自分の寝室であり体には包帯がまかれていた。隣にはディナが立っており心配そうにしていた。
「目を覚ましましたかお嬢さま」
「なぜ私がここにいる?」
「負けたからです。怪我も負いました。」
「違うなぜ生きている。了のやつは私を始末しなかったのか!?」
「それについては了様からお聞きください」
「居るのか!案内しろ!」
ブルーは傷を負っていること忘れディナに催促した。二人は了がいる庭へ向かった。了は青い月を見て夜景を楽しんでた。ブルーがやってきたことを知ると大丈夫かと声をかけた。しかしブルーはその言葉に怒りがこもった声で言い返す。
「なぜ私を生かした。戦いに負けたものは死、それが当り前だ!」
ブルーにとってはそれが当たり前であった。人間と化け物の闘いはそういうモノであると考えていたからだ。了はその言葉に驚いた。
「私はブルーを殺したくないし」
「退治しに来たのではないのか!?」
「私は月をもとに戻してくれと言いに来ただけだぜ、それにブルーの死は望んでないよ」
「しかしなあ!・・」
「しかしも何も、私は勝った。強者の言うことは聞いてくれるよな」
了は月を見ながら言う。それ以上は何も望まなかった。ブルーは了が自分より強い者だと分かった。
「・・・そうだな強者の言う通りなら」
ブルーはその言葉に納得し指を鳴らした。青い月は消え夜空には金色に輝く月が現れた。ブルーが月を元に戻してくれたことに喜び、笑みをこぼす了。
「ありがとうよ」
「次は負けない」
それにつられ笑うブルー、二人の様子を見てメイドのディナは安心した。
「いやーお嬢様が死ななくて良かったですよーいや本当にもし死んだらどうしようかと思いましたよー特にお金」
「おまえーなー」
ブルーは顔赤くし、怒りの表情をディナに見せる。するとディナはあることに気がついた。
「あら、怒ったら顔は赤くされるんですね」
「ゆるさんんん!!!」
それを聞きさらに顔を赤くした。ディナに説教を与えようとするブルー。ディナは笑って逃げる それを追いかけるブルー。そんな様子を見て了は笑う。
月は優しく世界を照らしていた。こうして青い月事件は解決した。
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