第一話 青い月と不思議なカード

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クソ傷が痛む。頭の中でそんな風に考えていると視界が開いた。 「生きているだと?」  ブルーは自身の命があることに困惑し、辺りを見渡す。 ブルーがいた場所は自分の寝室であり体には包帯がまかれていた。隣にはディナが立っており心配そうにしていた。 「目を覚ましましたかお嬢さま」 「なぜ私がここにいる?」 「負けたからです。怪我も負いました。」 「違うなぜ生きている。了のやつは私を始末しなかったのか!?」 「それについては了様からお聞きください」 「居るのか!案内しろ!」  ブルーは傷を負っていること忘れディナに催促した。二人は了がいる庭へ向かった。了は青い月を見て夜景を楽しんでた。ブルーがやってきたことを知ると大丈夫かと声をかけた。しかしブルーはその言葉に怒りがこもった声で言い返す。 「なぜ私を生かした。戦いに負けたものは死、それが当り前だ!」  ブルーにとってはそれが当たり前であった。人間と化け物の闘いはそういうモノであると考えていたからだ。了はその言葉に驚いた。 「私はブルーを殺したくないし」 「退治しに来たのではないのか!?」 「私は月をもとに戻してくれと言いに来ただけだぜ、それにブルーの死は望んでないよ」 「しかしなあ!・・」 「しかしも何も、私は勝った。強者の言うことは聞いてくれるよな」  了は月を見ながら言う。それ以上は何も望まなかった。ブルーは了が自分より強い者だと分かった。 「・・・そうだな強者の言う通りなら」  ブルーはその言葉に納得し指を鳴らした。青い月は消え夜空には金色に輝く月が現れた。ブルーが月を元に戻してくれたことに喜び、笑みをこぼす了。 「ありがとうよ」 「次は負けない」 それにつられ笑うブルー、二人の様子を見てメイドのディナは安心した。 「いやーお嬢様が死ななくて良かったですよーいや本当にもし死んだらどうしようかと思いましたよー特にお金」 「おまえーなー」 ブルーは顔赤くし、怒りの表情をディナに見せる。するとディナはあることに気がついた。 「あら、怒ったら顔は赤くされるんですね」 「ゆるさんんん!!!」  それを聞きさらに顔を赤くした。ディナに説教を与えようとするブルー。ディナは笑って逃げる それを追いかけるブルー。そんな様子を見て了は笑う。  月は優しく世界を照らしていた。こうして青い月事件は解決した。
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