後編

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僕は大声で叫んだ。 まったく、今日の僕はどうかしている。 普段だったら、確実に逃げ出しているのに。 この少女が勇気をくれたようだ。 僕は立ち上がった。 その時、かすかに背後から風を感じた。 そっと盗み見ると、そこには別の出口らしいものがあった。 しめた! 「メイヤ!逃げるんだ!後ろのドアから!!」 僕は叫んでいた。 「でも!」 「早く!」 少女は戸惑いながらも、出口に走り出した。 「このガキ!どけ!」 「いやだ!!」 「どけったら!こいつが目に入らないのかよ!」 男は拳銃を見せた。 「いやだ!」 「こいつ~!」 もう僕と男は押し問答になっていた。 その時、拳銃が火を吹いた。 男自身が豆鉄砲でも食らったような顔になった。 撃つ気はなかったらしい。 いわゆる、事故。 暴発ってやつか……。 胸の辺りに、焼けるような感覚。 僕は思わずその場に崩れた。 「隼人さん!」 少女の叫び声。 ざわめく男たち……。 胸が痛い……! 素早い足音がした。 「しっかりして下さい!」 少女が僕を覗き込んでいた。 きらきらとした涙が、彼女の頬を伝っていた。 ああ、やっぱり綺麗な顔だ。 頼むから、そんな顔しないでくれよ。 こっちまで、悲しくなるじゃないか。 それにしても、僕はここで死ぬのかな……。     
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