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「う」
賢者はドギマギした。
「往生せい」
サムライが静かに告げた。
そこで武闘家がすかさず注文を聞き直す。
「生の人、手を挙げて。はい。じゃあ、他の人は各自で注文してくれる?」
クリティカルヒット。
武闘家の手際に、女性たちの心が少しときめいた。
「あたし、心が奪われちゃいそう。なんてね」
盗賊がおちゃらけた。
「盗賊が奪われしまうとは笑止」
「……え」
サムライのツッコミに場がしらけた。
「あ、飲みものがきたみたい。それじゃ乾杯しましょ」
「かんぱーい」
遊び人が音頭をとり、なんとか場を持ち直した。
やがて料理がきて、みなもほどよくアルコールが入っている状態となった。
「ねえ。勇者さん、さっきから黙ってるけど、だいじょうぶ?」
「はい」
魔導士の問いに、勇者は「はい」を選ぶ。
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