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「で、話のつづきだけど、稼ぎはどうなのさ」
盗賊が勇者に詰め寄る。
盗賊の手が怪しく動き、勇者の懐を狙う。
そのあいだに、サムライが居合のごとく入りこむ。
「そもそも魔王亡き今、拙者らに潤沢な稼ぎなどあらぬ」
「ええー、うそー。世界を救ったのに?」
サムライの発言に、女性陣の表情が一瞬にして曇る。
「嘘じゃないぜ。事実、今まで手に入れたアイテムはほとんど売り払ったし」
賢者の暴露で、追い打ちをかけるごとく場が凍りつく。
「だいたい、俺たちは魔物から金品を奪っていたからな」
「それじゃあ遊べないわね」
遊び人は興が醒めた。席を離れようとした。
「待たれよ。おぬしに抜けられたら、場がもたぬ」
すかさずサムライがまわりこむ。
「知らないわよ。悪いけど、金欠男子に興味なんてないの。体はいいかもだけどー」
遊び人は微笑み、ぴったりとサムライに体を引っつける。
やわらかい感触がサムライを襲う。
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