転生・イグニスへ

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「天使の階級は生まれた時に決定するんです。生まれた時の力の大きさによって決まるので、経験とかあまり関係ないんですよね」 「はあ」 生まれた時の力の大きさって。赤ん坊の時にそんなことがわかるのだろうか。 「ちなみに天使は生まれたときから人間のように成長はしません。最初から今の姿として発生します。私が発生したのは15年ほど前ですね」 「え、若いなおい」 俺より年下だった。もっとものすごく長い時間を生きているものとばかりに考えていた。それこそ数百年単位で生きているものだと。 「まあそこは別にいいです。それよりもイグニスについてですね」 ウリエルが逸れた話を元に戻す。 「イグニスは魔法文明の発達した世界ですね。生活水準は地球ーー駆さんが住んでいた世界とそんな変わりないですよ」 ウリエルのその言葉を聞き、俺はちょっと目を見開く。 「魔法あるのか?」 俺も魔法が使えるようになる、のか?」 「ありますよ。むしろ魔法のない世界の方が珍しいですね」 あっさりとウリエルは肯定し、人差し指を立てる。そこに火が灯る。 「単純ですけど、火を出す魔法です。イグニスなら使えない人はいない魔法ですね」 「へえ」 誰でも魔法が使えるのか。それなら俺でもチャンスはあるのか。 「駆さんも使えるはずです。魔力になれる必要がありますからすぐに使える、というわけではありませんけど」 「………すぐには使えないのか」 俺はちょっと気落ちする。魔法、使ってみたかったな。 「魔法に関しては私が教えるより現地で直接馴れた方がいいでしょう。イグニスは他の世界に比べてちょっと特殊ですから………」 ウリエルがちょっと言葉につまる。魔法が特殊って、どういうことだ? 「普通なら詠唱とか、魔力とか練るんですけどね………。イグニス方式の魔法は私は使えないのであまり聞かないでください」 俺の疑問を読み取ったのか、ウリエルは補足する。 「方式が違うって、どうして?」 その原因くらいはわかるだろう、と俺は言葉を紡ぐ。ウリエルは頷いてから口を開いた。 「先程述べた魔法文明が発達したことが関係しているんです。あまりにも発達しすぎていて魔法の形式が変わってしまうほどに」 どれだけ発達しているんだ、それ………。
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