パーティー×パーティー

旅立ち

『最強』の称号を得て、宿屋の裏口からすぐさま冒険へと旅立った『最強』パーティー。

外の空気をすった戦士は程なくして正気を取り戻したが、盗賊の貞操をめぐったライバルが増えたことに驚きを禁じ得なかった。

冒険の面ではと言うと、これほどの達人が一堂に会するのも珍しい。
戦士はいささか役者不足の感が否めなかったが、腐っても戦士、戦いの舞台では中々の仕事をした。

誰もが彼らの活躍を期待した。

しかし、それは儚い希望だった。

物理特化の彼らはどんなに力が強かろうと
回復手段を一切持たないパーティー。

唯一、武闘家だけが謎の気で回復速度を早められたが、所詮焼け石に水。
僅かな傷が命取りとなるサドンデスパーティーは冒険という分野では『最弱』でしかなった。