第1章

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私の隣で寝ている人は、 ラフな髪型で枕に半分顔を埋めているので一瞬誰かと思ったが、 確かに本庄課長。 私が身に付けているのはブラとキャミソール、 そしてパンツと膝丈のショートストッキングのみだ。 下腹部には鈍痛、 ふいに怖くなりパンツの中に恐る恐る手を伸ばし、 その箇所に沿わせて見ると微かに濡れている。 濡れた指を見ると、 仄かな灯りだけでも私の目はきちんと認識した。 中指を汚しているのは血だ。 ドラマとかマンガであるような、 飲んだあとにやらかした失敗談で終わらせるには、 あまりにも辛い。 こんなこと、 笑い話になど一生できそうにない。 私の初めて、 こんなんで終わっちゃったんだ。
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