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「……はい。
心配ありがとう、お母さん」
花園家の1日はこうして始まる。
母と私だけが暮らす、
少し古いけれど大きなお家。
広目の庭一面は草花が生い茂り、
それを褒められることが母の誇りだ。
私のその日の気分は、
朝に母が何と発言するか次第で決まると言える。
母との会話は気が滅入る。
いつもそうだと言うわけではない。
ただ、子どものときは感じなかった、
些細なことが今はいちいち背中にのし掛かってくるのだ。
抑圧されている。
そう強く思う。
そのせいか、
何気ない会話をするのも億劫に感じ始めている自分がいる。
5つ年の離れた姉が高校卒業と同時に家を出て行ったときから、
私への締め付けは明らかに強くなった。
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