5.beast ー2 (ジーン:28歳 アーロン:25歳)

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   アーロンは夜半まで、ジーンにいろいろ尋ねた。やっと安心してジーンを解放する。  まずは明日からリサーチ。昔懐かしい『よくある狩り』から始めることにした。そこからは次々と二人で狩りを続けた。  久し振りのバーだ。ジーンは自分から初めて欲しがったベースボールキャップを被っている。 「アーロンじゃないか! しばらく見なかったが無事だったのか!」 「久しぶりだな、ポール」 ポールは思わず相棒と顔を見合わせた。 「おい! アーロンが返事したぜ! こいつぁたまげた」 どういう生活をしてきたんだよ? とジーンはアーロンを見た。 「そっちの連れは?」 「ジーンだ」 アーロンが言う前に答えて握手をした。 「名前が兄貴と一緒だってんで組むことになった。よろしくな」  アーロンにはジーンが書いた筋書きが見えた。兄貴は『あのジーン』を生き返らせる気はないんだ。 「そんなんでアーロンの相棒になれんのか? 俺もジーンと名乗れば良かったよ」 ポールの言葉にジーンは笑った。 「いや、こいつの相棒になるのは大変だぜ。こっちが倍喋んなきゃならない。ところで、3日くらい前に心臓が消えたって死体が出たんだって?」 自然に融け込んでしまったジーン。 (ああ 夢みたいだよ、ジーン) 2日後。心臓を失う死体も行方不明者も出なくなった。  そして翌年。『アーロンと片腕のジーン』はハンターたちの間では有名な二人組になっていた。   
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