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アーロンは夜半まで、ジーンにいろいろ尋ねた。やっと安心してジーンを解放する。
まずは明日からリサーチ。昔懐かしい『よくある狩り』から始めることにした。そこからは次々と二人で狩りを続けた。
久し振りのバーだ。ジーンは自分から初めて欲しがったベースボールキャップを被っている。
「アーロンじゃないか! しばらく見なかったが無事だったのか!」
「久しぶりだな、ポール」
ポールは思わず相棒と顔を見合わせた。
「おい! アーロンが返事したぜ! こいつぁたまげた」
どういう生活をしてきたんだよ? とジーンはアーロンを見た。
「そっちの連れは?」
「ジーンだ」
アーロンが言う前に答えて握手をした。
「名前が兄貴と一緒だってんで組むことになった。よろしくな」
アーロンにはジーンが書いた筋書きが見えた。兄貴は『あのジーン』を生き返らせる気はないんだ。
「そんなんでアーロンの相棒になれんのか? 俺もジーンと名乗れば良かったよ」
ポールの言葉にジーンは笑った。
「いや、こいつの相棒になるのは大変だぜ。こっちが倍喋んなきゃならない。ところで、3日くらい前に心臓が消えたって死体が出たんだって?」
自然に融け込んでしまったジーン。
(ああ 夢みたいだよ、ジーン)
2日後。心臓を失う死体も行方不明者も出なくなった。
そして翌年。『アーロンと片腕のジーン』はハンターたちの間では有名な二人組になっていた。
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