DAY 2

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王様は悔しげに だけどほんの少し楽しげに尋ねる。 「さあ、何がいいかなぁ」 僕が焦らすように意地悪く笑うと 許しを請うかのように小さく唇を重ねて囁く。 「いいから――お兄様におまえの望みを言ってみろ。な?」 いつにない甘い声で 僕がごく簡単に アイスクリームかなんかねだるのを待ってるんだ。 「そうだな、僕の望みは――」 でもこんなチャンス滅多にないし みんな知ってると思うけど 僕は人を思いやるほどイイ子じゃないんだ。 僕が望むのはこの人に最もふさわしくない事。 そして罰ゲームになりうる事。 それから普段は決してしないような事。
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