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で――。
「大人2枚」
「わくわくワンデーパスでよろしいでしょうか?」
「わくわくだと?なんでもいいから俺のとこいつの分をよこせ!」
「お兄様っ……夢の国ですよ」
「知るか」
馴れない調子でチケットを買うと
僕らは人波に飲まれるように美しいゲートをくぐる。
「わあ、ツリーだ」
「ツリーなら家にもデカいのがあるだろ?こんなとこまで来なくても……」
クリスマス前ということもあり
家族連れや恋人同士でパークは大盛況だ。
「お兄様、文句はなし。楽しんでください。今日一日何でも僕の言うこと聞く約束でしょう?」
僕が念を押すように言うと
征司が渋々頷いたので
「それじゃ手始めにそのお堅い恰好をなんとかしなくちゃ」
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