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結果的にどうなったかって――?
「すみませーん!一緒に写真撮って下さい」
「私たちもお願いしまぁす♪」
ねずみの耳などつけられないと仰ったお兄様は
キャストの着ている衣装を――それもがっつり王子様の衣装を。
普段お召しになっている物に近いとの理由で
「俺がやるからには完璧にやらなければ」
頭の先から爪先まで
無理言って一式入手なさったわけで――。
「おい!どうなってるんだ?なんでみんな俺と写真を撮りたがる?」
「決まってるでしょう……」
キャストに間違えられてるんだ。
「おまえのそれと、何がどう違う?」
興奮状態のゲストの元から逃げ出してきた王様は
僕の頭の上のカチューシャを指さして
本当に分からない顔で尋ねる。
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