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「ちょっと、困んのよね!」
その時だった。
「え?」
「あ?」
パークの制服を着た
僕の二倍はありそうな巨漢のおばさんが――。
「わ!」
呆然とする征司お兄様目がけて突進してきたのは。
「もうすぐパレードの時間だって言ったでしょ?あんた何回言えば覚えるわけ?みんなもうスタンバイしてるんだから。勝手にうろうろされちゃ困んのよ!」
言われている本人よりも
その外観を見ている僕の方が先に
おばさんが何を言わんとしているのか理解した。
「一体……どういう……」
天宮のお坊ちゃまにとっては
全くもって身に覚えのない話だ。
だけど――。
「いい?あんたが乗るのは前から3台目の馬車だからね!間違ってもかぼちゃの馬車に乗るんじゃないわよ?ったく、入ったばかりって言ってもキャストとして自覚を持って行動してもらわなくちゃ。こんなとこで友達と食っちゃべってちゃ困んのよ!」
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