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主役たちより目立って
かぼちゃのてっぺんに仁王立ちした王子様――。
「せ、征司お兄様っ……!」
もとい人相の悪い我が家の王様は
男に肩を抱かれた僕を見つけるや物凄い形相で
「おい!おまえ何してる!」
剣を突きつけ叫んだ。
観客は何かの演出かと辺りをキョロキョロする。
「なんだ、あれ……」
無論僕の肩を抱いている男も
「おまえだ!そこの趣味の悪いチェックのコートのおまえ!」
「へ……」
名指しで非難されてもあんぐりするばかり。
「何してんの!今すぐ降りなさい!」
征司を連れてったあのおばさんが駆けつけ
鬼のような顔で金切声を上げるも。
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