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有無を言わさず
振り下ろされた剣の切っ先は
「ひいっ……!」
男の趣味の悪いコートの襟元を的確にひっかけた。
そして――。
「貴様、その汚い手をどけろ」
脅える男の
襟首を巻き上げるようにして言い放つ。
「聞こえないか?許可なく俺のモノに触るなと言ってるんだ」
こんな格好してるのに。
それは夢から目覚める瞳だ。
いや夢なんか見ない。
いつも目の前の世界を支配する瞳。
「ひぇぇっ……助けて……!」
男は転がるように逃げ出すも
僕らも直に
「動かないで!剣を捨てなさい!」
駆けつけた数えきれない数のガードマンに
取り囲まれてしまった。
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