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「あーあ。結局何にも出来ずに追い出されちゃったよ……」
僕らを待っていたのは
夢の国からの追放――。
「あいつら俺様を追い出すとはいい度胸だな」
しかしそれだけの罰で済んだのは
一重に僕らが天宮家のボンボンだったからだ。
「……ったく、本当に今日はなんて日だよ」
帰りの車の中
ハンドルを握った征司はもう一度
朝と同じ台詞を吐いて舌打ちした。
「だけど少なくともお兄様――退屈で死にはしなかったでしょう?」
助手席で僕が笑うと
車は信号待ちで止まり
「……」
「……」
運転席の征司とふと目と目が合った。
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