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「じゃあ一体どうしたいんですか!」
いい加減、気まぐれに付き合うのはうんざり。
こっちが機嫌をそこねて不貞腐れ始めた時だ。
「言いなりか――よし」
何を思いついたのか
ひょいっと身体を起こすと征司は
胸ポケットから古いコインを一枚取り出した。
「裏か表か当てたら、今日一日何でもおまえの言う事きいてやる」
「裏か表かで何でも言うこと聞くですって?」
退屈だからって
何を言い出すかと思えば――怖い怖い。
「二分の一の確率で奴隷ですよ?そんなリスクの高い賭け僕はイヤです」
「おまえにやれとは言ってない。おまえが当てたら、俺が今日一日言うこと聞いてやると言ってるんだ」
渋る僕に面倒そうに征司は言う。
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