DAY 2

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僕は集中して回転するコインを見つめる。 動体視力は猫なみに良いんだ。 「あ」 「ふふん」 だけど勝負事に負けるのが何より嫌いなお兄様は 落下を待たずして意地悪く空中でコインを手の中に収めてしまう。 「さ、裏か表か」 勝ったって顔してるな――。 「裏です」 「いいのか?」 「ええ」 「本当にいいんだな?」 たとえ間違っていたって 僕には何の損もないんだと思うと気が楽だった。 それで――。 「いいから早く見せて下さいよ」 僕は席を立つと 勢いよく征司の隣へ飛び移った。 「あ……」
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