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 バルトゥルスの背中に手を回せば頭に口づけを落とされる。傷があるから少し凸凹している。あれからもう彼が熊の毛皮を被ることは無くなった。  上を向いて黒曜石の瞳と向き合えば、唇に触れられる。そしてキスが降る。 「ヒューシャ、好きだ」 「私も、好きだよ。バルトゥルス」  愛を囁き合って、唇で触れ合う。  そろそろと手が登ってきて、短いヒューレシアの髪を撫でられる。  婚姻の儀のあと、ヒューレシアは髪を切った。奴隷でいた六年、ずっと手入れも何もできず伸びっぱなしで髪はすっかり傷んでいた。いっそばっさり切って、改めて伸ばすことに決めた。伸びきって同じくらいの長さになった頃には、今に負けないくらいの絆が作られていると信じて。 「…ンッ、んぅ……」  空いた唇の隙間からくぐもった嬌声が漏れ出る。  優しく髪を撫でていた手はいつの間にかヒューレシアの胸にあった。頂をくりと捏ねられて、一度発散された熱が身体の最奥で再燃されたのを感じる。 「――ッは、もぅ、またするの……?」 「ヒューシャが可愛いから」  バルトゥルスは何度もそう言う。いつも優しく微笑んで言ってくる彼の顔は本当に幸せそうで……なんだかんだ文句を言いつつ最終的には許してしまう自分である。     
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