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プロローグ
――たぶん、物心ついてからの癖だ。
人の顔を見て、誰と認識する前、最初にまず手を見てしまう。
だから、自分の身近な人間がどんな手をしているか、俺には大抵わかる。
二年前に別れた彼女には、「眞昼くんは手フェチよね」と言われたが、別に好みの手があるわけでもない。
曖昧になってしまった幼い頃の、記憶に唯一残っているもの。
それが、握り合った温かい手のひらのぬくもりであり、幼いころからずっと、求めている唯一無二の存在だから――
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