13 本当は傍にいたい

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「そういえば……」  団地の居間の窓から、公園が見えたのを思い出す。そして、「週末はキャッチボールする親子がいてさ」と眞昼が話してくれた。  そうだ、なぜ忘れていたんだろう。親子の話をしたときの、眞昼の淋しそうで諦めたような、あの瞳を。目を伏せた眞昼の横顔が綺麗で、それに見とれて彼の心の内をのぞく努力をしなかった。  近くで見ていたはずなのに、今の今まで忘れていた。  やっぱり自分は、眞昼の前では精一杯カッコつけて落ち着いて見せて、その実中身は眞昼を取り戻すことに夢中な情けないガキだった。  すぐ目の前の眞昼を見ていなかった。 「眞昼……」  ほとんど陽が落ちかける中、晃夜は建物の南側へ回った。向かうのはこの棟の裏の公園。  眞昼、どうかそこに居てくれ――。
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